話しその11

 乗っている車はトラックだが、ブレーキとアクセル・ペダルは少々改造してある。ブレーキ・ペダルのストロークを出来るだけ小さくして、アクセル・ペダルの位置もブレーキ・ペダルに近づけ、近づけただけでは無く、ペダルを斜めにして、足の爪先をブレーキが効く位置に置いた儘、アクセル・ペダルを煽れる位置に調節してある。クラッチ・ペダルの左側横には、フート・レストが付いている。

レースやラリーで使う、ヒル・アンド・トウが使い易い様になっていると言う訳で有る。トラックの運転に、ヒル・アンド・トウが必要無いのではと思われるだろうが、適切なシフト・ダウンでエンジン・ブレーキと、カーブ中の常にアクセル・オン(ハーフ〜フル)で車の安定から考えると、ヒル・アンド・トウが出来ると、エンジンやミッションにかかる衝撃が軽減され、スムーズに運転出来る。但し、ヒル・アンド・トウでスムーズにシフト・ダウン出来る様に成るには、時間が掛かるし、車が変わると、ペダル位置から、クラッチ、ブレーキ、アクセルの感触も違うので、慣れるまで時間がかかる。同じ車を毎日乗って、常にヒル・アンド・トウを使っていても、完璧な物となるには、何箇月も掛かるだろう。「コンテッサ号」も、もう2ヵ月経つので、ペダルの感覚が足に馴染み、無意識でヒル・アンド・トウが出来るまでに成った。

ずっと前に乗っていた、ギャラン・バンでは、同じ道を毎日、行ったり来たりしていたので、一定の区間(真鶴旧道の根府川〜湯河原間)は、ヒル・アンド・トウを使って、カーブに入り、最大トルクでアクセル・オンして、カーブするので、車のケツを振り、カウンター〜時には逆ハン〜を当てて、車の方向を修正して走って居た時も有った。一昔前のツーリング・カー・レースそのものの走り方をしていたのだ。この様に、ワザと後輪をスリップさせて走らす事が出来ると、普通に走っている時に、とっさのパニック・ブレーキ等で車の安定を失っても、体が自然とハンドルやアクセルを操作して、車の方向はコントロール出来る。事故が起こるか、否かの、境が、コンマ何秒かの、この、車の操作に依って左右される。

オートバイでも、今は中型、大型と分かれて、大型バイクでの事故は少なくなったが、250〜400ccバイクでの、ライダーの走りを見ていると、マダマダという感がする。普通に走っている時は何とも無いが、パニック時のブレーキング、体の重心の移動が未熟なライダーが多い。バイクは体で乗る物なので、カーブでの体重の架け方でバイクが不安定に成りやすい。普通に舗装路を走るのには、オートバイと体の傾きが同じ、リーン・ウイズ、一寸飛ばして居る時は、バイクの傾きよりも、少し体の傾きを多くした、リーン・インがスポーツ走行の基本で、ラフ・ロードでは、リーン・アウト(体の傾きがバイクの傾きよりも起きている。)を使って、バランスを取って、カーブを走る事も有るが、舗装路ではリーン・アウトは余り使われない。

レースでは、ハング・オンと言う、リーン・インを更に体を内側にずらした乗り方をするが、一般道路の様に、カーブの途中で何が起こるか判らない(砂が進路上に有ったりの)時には、重心の移動に時間のかかるハング・オンを使うのは、危険と言える。ローリング族の走り方を見ていると、レース場の走り方のハング・オンを使って、しかも、何台か固まって走っている。同じ性能のマシンで、同じ位の技量のレーサーで走っているのなら、まだマシと言えるが、相手の技量が判らない人と一緒に走って、これほどの危険と同居している話は無い。これでは、事故が起こるのは、当然と言える。

要は、自分で制御出来る速度で、マシンを操れるかどうかで有り、自分の限界を知っておく必要も有る。レースをやっている人は、常にその限界を少しずつ上げる努力をしている。

「コンテッサ号」の話に戻って、

屋根はグラスファイバーで作ってある。と、言っても、本格的に市売品の様には作っては居ない。と、言うのも、木工の雄型から、雌型を作って、屋根を作った物では無いからで、木工の型は作ったが、直接木工の型にグラス・ファイバーで型取りした物を使ったから。と、言うことは、内側はツルツルだが、外側はザラザラと言うことになる。塗装で誤魔化しているので、目立たない様にしてある。屋根用のフレームを1・5m間隔に付けてあるので、グラス・マット(マットに樹脂を塗り固める。)を4層に重ねて、十分の強度にしてある。

キャビンと後部ハウスの接続も考えたが、エンジン等の点検時にはキャビンを持ち上げるので(前部下を支点として)、切り離せなくてはならず、構造が複雑になるので、少々不便だが、ハウスに入るときは一旦外に出るしか無い。

クーラーは付いていないので、夏は窓を開けて,網戸が取り付けられる様になっている。ただし,大雨等の時は蒸し暑いのを我慢しなければならない。我慢できないときは,運転席に入って,エンジンを掛けて,車のエアコンで我慢するしかない。ドンと一緒に運転席で夜を過ごした事も何回もある。

暖房は,石油ストーブを置いてある。電気ストーブにしたい所だが,常に2Kw発電機を動かしている訳にいかないので,バッテリーでの使用となると,電力量が足らないので、換気に十分注意して、石油ストーブを使用している。面倒なのは、移動中はストーブのタンク内の石油を抜いておかないと、漏れる事。使う時は使用時間から、必要燃料を計算して、入れるようにしている。

無線のログ(交信記録)用にノートパソコンを使っているが、ログだけではなく、日記や、住所録、色々な記録用、気晴らしのゲーム用使っている。

NECの1995年頃に発売されていた、PC−9821Ndを大事に使っている。ウィンドウズ95は使えないが、MS−DOSを入れて、C言語を勉強し、プログラムを組めるようにして、雑誌や本に載っていたプログラムを自分なりに変えて、使っている。パソコン通信で無料で使える、フリーソフトのファイル(ゲームやファイル管理、住所録など)をパソコン通信はしていないが、雑誌に有ったディスクから貰い、ノートパソコンに入れている。

パソコンの初期、15年ほど前、アマチュア用ではPCー6001(NEC)、MZー80(シャープ)が全盛の頃、MZー80の後続機のMZー1200を買って、BASICで遊んでいた時が有った。ハードディスクなんていう物はなく、記録装置も、カセットテープで、ロードやリードするのに、20分も掛かっていて、その量も数10Kバイト。パソコンの容量も36K(増設して48k)バイト。CPUはPC−9821Ndの32ビットからは考えられない、8ビットであった。16ビットのマシンも有ったが、当時は手の出ない物であった(PCー8001、MZー2000等)。何しろ、BASICを入れなくては、何も出来ない(何も入っていない)ので、BASICを覚えることは最低限であった(PCマシンは内蔵していた様)。

その頃の雑誌には、プログラム(BASIC)が載っていたので、先ずプログラムを真似して入れるのが最初で、次にプログラムのどこをどう変えるとどのような動きになるかをやってみて、自分だけのプログラムに変えていく。次にマシン語(3EAF,5CBEとか、意味の分からない数字とアルファベットの羅列)のプログラムをBASICから使える様にして、マシン語で普通ではコピー出来ない,PASCALのプログラムを借りてきたものを使えるようにしたりしていた(PASCALはBASICと違った、C言語に近い流れの言語)。BASICも,今のQuick/BASICでは、C言語と同じような方式を使っていて、普通のBASICでは、1行ずつに行番号を付けて、GOTO(行番号)でプログラムをあちこち飛ぶが、QBではSUBを使って、1つのイベントを別に作っておき、どこからでもSUBを呼び出せる(SUBは幾つでも作れる。)ので、プログラムの管理が出来易く成っている。C言語では更にSUB形式を強力にしたようなもので、プログラムは関数(関数で1つのイベントを作っている)の操作で出来ているという感じのもの。BASICとCの根本的な違いは、マシン語に変換するときの時期がBASICの1行ずつ行うか、Cのプログラムをまとめて変換するかの違い。BASICの方がバグ(スペルの違いや使い方の違い等)を随時見付けられる(QBの場合)ので、初心者向きと言える。Cでも、Quick・Cでは、変換時にバグの場所を教えてくれるので、(英語で表示されているので、意味するところを判断するのに感が必要だが)バグ発見はやり易い。MZー1200当時のBASICでは、バグを教えてくれる様な物はなく、作ったプログラムが正常に動かなければ、プログラムの全てに目を通して、(例え、;と:の違いでも)正常に動くまでのバグ捜しでプログラムを作る以上の時間が掛かった。

それが、今では何も知らなくてもパソコンを使えるのだから、変わったものだ。ウィンドウ95では、絵をマウスでクリックするだけでパソコン通信やインターネットを出来るし、ゲームを出来る。

文字入力は、PCー9801ではローマ字入力でブラインド・タッチで打てる様に練習した。パソコン以前は、ワープロ機は富士通の親指シフトだったので、PCー9801の平仮名入力を覚えると、親指シフトとキー位置が違うので、混がらがってしまうので、あえてキー数が多くなるが、ローマ字入力としている。これだと、親指シフトを使う時もすぐに慣れる。

PC−9821Ndの電源は、13VDCが必要なので、バッテリーの12Vでは低いし、車の24Vでは高いし、結局、100VACからDC13Vに変える、PC−9821Nd付属のACアダプターを使っている。コンテッサ号の電源には、ハウス用には、120AHのバッテリーを並列に3個接続し、AC・DCコンバーターで100V・ACに変えている。この100Vで、蛍光燈と、無線機、TVを使える。ただし、バッテリーは時々充電するために、発電機を動かす必要がある。発電機が動いているときは、100Vを使いながら、充電も出来る。そのため、コンセントは2種類ずつ並んで付いている。1つはコンバータから来ていて、もう1つは発電機から直接来ている。

発電機は、2KVA有るので、100Vで約20A(2000W)ーー正確には17A程ーーの物が一度に使用できる。ガソリンエンジンの方が軽いが、燃料代の安いヂーゼルエンジンの発電機にした。ちょっとうるさいのが玉に傷だが、たまにしか動かさないので、我慢。エンジンオイルの交換やエアーエレメントの掃除等は車のときと同時にしている。