沖縄・西表島滞在記(1)
 平成20年7月14日〜平成20年10月12日


【7月14日】
  羽田空港(飛行機)→石垣島(船)→西表島



羽田空港から石垣島直行便で石垣島へ。離島桟橋から八重山観光フェリーの船で西表島へ。
2月に続いての西表島。でも今回は観光ではなく、仕事で。
大原に着いたところで、働く事になっている会社に電話。
社長は石垣島にいるので、スタッフを迎えに向かわせるという事で日本最南端信号機角の
郵便局前で待機。瀬尾さんが来てくれて、車に同乗して会社の寮へ。
6畳程の部屋に布団だけが用意されていて、夕食は自炊(又は外食)という事で、
早々に教えられた近くの売店へ。適当な物を買って、夕食。
次の日から仕事が始まった。会社はカヌーツアー、遊覧船等していて、先ずはカヌーから。
15・16日と半日カヌーに付いて行って先ず覚える。マングローブの説明など本当に出来
るようになるのかな?17日、台風接近とのことで、台風対策になる。カヌーを広場に上げ
たり、小屋のテントを外したり、小屋に重しを増やし、補強したり、やる事は沢山ある。

カヌー乗り場(桟橋)からの夕焼け(7/16)




カヌー乗り場近くの仲間橋の欄干に作られたイリオモテヤマネコの石像
一体の制作費が750万円したそうで、4体あるので合計3千万円。




こちらは日本最南端の信号機の前の郵便局前のイリオモテヤマネコの石像。
橋のよりは少し怖いですね。




カヌー乗り場近くにある「マザカイの碑」

昔、西表に入植した人はマラリヤ(蚊が媒体する病気)に苦しめられ、殆どの人が
死んだといわれています。60年ほど前までは西表には定着して住む人が居なくて
マラリヤを撲滅してからやっと、周りの島からの入植者が各部落に住みました。
マラリヤで亡くなった人達を供養する碑のようです。(今度詳しく聞かなくちゃ)




【7月19日】



歩道を歩いていたら、天然記念物のセマルハコガメがいたので、写真撮影。
勿論、直ぐに無罪釈放しましたよ。(寮の庭へ。〜何処に行ったのかな?)




【7月23日】



休みを利用して、西表島西部へ瀬尾さんの車を借りてドライブ。
途中の古見のサキスマスオウノキ群落へ。
サキスマスオウノキ/サガリバナ




浦内川で遊覧船に乗り、軍艦岩まで。




軍艦岩から浦内川上流研究路をマリユドゥ・カンピレーの滝へ。
マリユドゥの滝への降り道は閉鎖されていて、展望台からの遠景だけ。
マリユドゥの滝/カンピレーの滝




滝からの帰り道でのトカゲ・チョウ。
イシガキトカゲ/サキシマカナヘビ/リュウキュウミスジ




由布島近くの海岸180度ステレオ

【8月03日】
  波照間島へ



休みの日、社長から誘われてクルーザーで波照間島へ。
日本最南端(有人島としては)の波照間島ではレンタカーで島内一周。
島からの帰りにはトローリングをして、キハダマグロ・カツオを釣りながら。
浜/ハマシタン群落/日本最南端の碑




日本最南端の碑360度ステレオ写真


泡盛の泡波で有名な泡波酒造所(以外に小さなところだった。)




【8月03日】
  野生生物保護センター・大富



カンムリワシの剥製/ヤマネコの剥製




カンゾウさん家のリュウキュウイノシシ/カンゾウさん家から見たカヌー乗り場




【8月04日】
  仲間川展望台までハイキング



大富から牧場とサトウキビ畑を見ながら、展望台入り口まで。車が通れる道を展望台まで
写真を写しながら約2時間。林道に入って直ぐのところに、車で轢かれたらしいサキシマ
ハブが。生きていたらそばに近づけないよなー。



蝶やトンボを写しながら展望台へ

アオタテハモドキ/オオハラビロトンボのオス




スジグロカバマダラ




オオジョロウグモ




アダン/クワズイモ/ギンネム



アダン〜実はパイナップルそっくりで、パイナップルモドキとも呼ばれ、実は少量だが
食べる事ができる。ヤエヤマオオコウモリやリュウキュウイノシシ、鳥などが食べる。
葉は棘を取って、帽子やゾウリに加工できる。お土産屋に時々売っていることがある。

クワズイモ〜名前のとおり食べられない。葉は大きいので、茎を持って傘がわりになる
が、樹液が手に付くとかぶれるので茎の切断面を土などにこすり付けて樹液をとめる。

ギンネム〜正式名はギンゴウカンで、沖縄地方や小笠原諸島で野生化している。


仲間川展望台からのステレオ写真


帰り道、牧場の牛にあいさつ。この牛は石垣牛として出荷されるのだな。




【8月11日】
  カヌーで上流まで写真撮影

オオハマボウ(別名ユウナ)〜黄色い花を咲かせ、赤くなると落花する。
葉はハート型をしていて、昔の物のないころはトイレットペーパー代わりに使った。




《マングローブの木》


九州以南、日本にはマングローブ面積は500ヘクタールあります。仲間川には200
ヘクタールのマングローブ面積があり、日本一のマングローブ林になります。
マングローブの種類は仲間川には7種類ほどあります。幾つかを紹介しましょう。
先ず、オヒルギ(別名アカバナヒルギ)です。赤い花(実は見えるのはガクですが)
をつけ、根の周りに膝根(しっこん)という呼吸根(空気中に出ているときは空気を
吸い、水に浸かっている時は水の中の養分を吸う)があります。
ガクからは種から成長した胎生種子という鉛筆状の物を付け、胎生種子を水に落とし
て流され、泥のカニ穴等に刺さって木に成長します。林の中のほうのオヒルギは幹が
真っ直ぐで、100日ほど塩水に漬けた後、乾燥させて昔は建材や桟橋の木として使
われました。今はマングローブは保護されているので、切る事はできません。

オヒルギ/ガクと黄葉/膝根




マングローブの木は、汽水域に生えていますが、実は塩分は嫌いなのです。根で塩分
を漉してますが枝に少量の塩分が入ります。何枚かに一枚見える黄葉は、塩分を貯め
て黄色くなり、落葉します。塩分を葉の表裏に結晶として出す木もあります。

次にヤエヤマヒルギです。葉に日を浴びるために後ろのオヒルギからこの木は枝を横
に延ばし、枝が折れるのを防ぐために枝の途中から地面(水面)に向かって根を成長
させ、枝を支えます。この根を支柱根といい、支柱根でも光合成をしていると言われ
ています。以上からヤエヤマヒルギは頭の良い木(?)と言われています。

ヤエヤマヒルギ/ヤエヤマヒルギの花




次にマヤプシキ(和名ハマザクロ)と言う木です。マヤプシキとは、地方名で、マヤ
はネコ、プシキはへそという意味で、「ネコのへそ」という名前になります。変な名
前ですね。ざくろのような実を付け、へその緒のような軸が出ていることから、生ま
れたてのネコの赤ちゃんのへそのようだと言うことで付けられたと言われています。
マヤプシキは仲間川周辺が北限で、西表島の西部にはありません。木の周りには竹の
子のような物が生えています。これは呼吸根で、筍根(じゅんこん)と呼ばれていま
す。昔、満潮時この上に船を停めると干潮時に船が壊されると言われていました。




ヒルギダマシはマヤプシキのような旬根がありますが、少し小さめです。



メヒルギという木もあります。オヒルギがオスの木で、メヒルギがメスの木という訳
ではなく、別の種類の木になります。メヒルギには白い花が付きます。



マングローブ林の中に船が入っています。これは捨てられた船ではないんです。台風
の時、港に船を置いておくと風と波で船が壊されるので、マングローブの中に避難し
て、使わないのでそのまま置いてあるのです。マングローブが風除けとなるんです。



水面に時々ペットボトルが浮かんでいたり、木の枝にペットボトルが掛かっています。
これはカニを捕るための仕掛けカゴが有るという目印です。ノコギリガザミという高
級ガニを捕ります。沖縄料理店に行くと1匹5千円〜1万円以上の値が付いています。

ノコギリガザミを捕るカゴ。中に臭いの強い魚等を入れる。




潮が引いた干潟に出てきました。片側のハサミが大きい「シオマネキ」がハサミを振っ
ています。これはウェービングといって、オスがメスを誘っているのです。シオマネキ
のメスはハサミの両方とも小さいです。ミナミトビハゼ(トントンミー)も見えます。
シオマネキ/ミナミトビハゼ



ミナミトビハゼは魚の癖に水の中が苦手です。
水面を飛ぶように走り、陸にたどり着きます。

遊覧船がやってきました。日本一のサキスマスオウノキで折り返します。



岸辺にパイナップルのような実をつけた植物があります。アダンです。パイナップルモ
ドキともいいます。熟した実は食べられますが、実の量が少ないので、人間はほとんど
食べません。リュウキュウイノシシやヤエヤマオオコウモリ、昆虫が食べに来ます。
葉には棘が有りますが、棘を取って、アダンダガサやアダンダゾウリに編みます。



上流になりますと、岸辺に鋭い棘のある、ナンテンカズラや、樹液が目に入るとつぶれ
るといわれるミクラハギといわれるオキナワキョウチクトウが多くなってきます。

ナンテンカズラ/ナンテンカズラの棘/オキナワキョウチクトウ




でも怖いものだけではないですよ。夜に咲いて、朝散る花、サガリバナも見られます。

水面に浮いたサガリバナの花/サガリバナが落ちた後の茎




タイワンウオクサギとリュウキュウアサギマダラ/アコウの実/イシガケチョウ




ツルアダンの実(この実は食べられません)




そうしている内に3つの川の合流点、カヌーの最終地点に来ました。

最終地点360度ステレオ(1)

最終地点ステレオ(2)


ここからは来た川を戻ります。

ハゼの木/サキスマスオウノキ




ハゼの木は漆のなかまで、下を通っただけでも漆に弱い人はかぶれます。
サキスマスオウノキは板根の高さが3.9mあり、日本一のサキスマスオウノキと言わ
れています。年輪がないので板根の高さから、樹齢400年といわれています。
帰り道、一日コースのカヌーツアーと出会いました。私のコースと大体同じ所を通り
ます。ただ途中から船にカヌーを載せて戻ります。途中、支流にはいりました。

カヌーツアー/支流内




【8月13日】

カヌー乗り場夕景




【8月14日】

お盆の獅子舞(?)

獅子舞が笛や太鼓の音に合わせて踊ります。




【8月23日】

カヌー乗り場ステレオ

カヌー乗り場ステレオ(180度)


【10月12日】
  展望台までハイキング(2回目)

大富の農業用給水タンク側面に書かれた絵




展望台までの林道で会った昆虫・鳥・花達

トンボ




カラスアゲハ/メスアカムラサキのメス/イシガケチョウ




スジグロカバマダラ/スジグロカバマダラ/リュウキュウアサギマダラ




鳥にでも襲われたのか羽根がボロボロになった蝶




イシガキヒヨドリ/リュウキュウメジロ




ギンゴウカン(ギンネム)/ナリヤラン/ハイビスカス



ギンゴウカン(ギンネム)は小笠原・沖縄地方で大発生し、他の植物を脅
かしている外来種(南アメリカ産)の植物です。しかしギンネムを好む毛
虫がいたので大発生を防止されたらしい。自然は自然が自制するようです。

ナリヤランの名前の由来は、西表島で廃村に
なった成屋(なりや)集落にちなんでつけら
れた。花は初夏から夏にかけて多く見られる。
崖の途中に咲いていた。

牧場に来て、ヤギの親子がいた。




牛とアマサギ



アマサギは牛が歩くと驚いて飛び立つバッタなどを捕らえるために牛のそばにいる。
牧草を巻き取る機械が通ると、アマサギが機械を追いかけている風景も見られる。